マーケティングの仕事って何してるの?と聞かれたので答えてみた

こんにちは。アラサーマーケターのKT(@kt_mkage)です。

私は8年ほど、日本でマーケティングの仕事に携わっていますが、先日知人から「マーケティングの仕事って何してるの?」と聞かれました。

「マーケティング」というのは誰もが知っている言葉であるにも関わらず、実態がよく分からないという人も多いようです。

というわけで今回は、この質問に就職活動中の学生にも、分かりやすいように、ガチで答えてみたいと思います。

そもそもマーケティングとは?

そもそもマーケティングという言葉自体、アメリカから輸入されたものです。

「市場」をあらわす「Market」に「-ing」をついているわけで、つまりは、顧客や競合が存在する市場の中でいかにして勝つかということが、概念化されたものです。

マーケティングはアメリカで生まれた概念ですので、直訳できる日本語が存在しないことが、あいまいさを生んでいる理由かも知れませんね。

マーケティングと聞くと、市場調査やデータ分析のことを思い浮かべる人が多いですが、それはマーケティングの一部に過ぎません。

市場の中で勝ち抜くために、そういった「情報」はあると有利に立てますが、情報を糧にしつつ、どう戦略を立て、どう戦うのかのほうが、それ以上に重要なのは間違いありません。

私はマーケティングを一言で表すとすると、「顧客志向」だと答えるようにしています。

顧客志向で組み立てるビジネス活動の全てが、マーケティングなのです。

さて、概念的な話はさておき、ここからは具体的なマーケティングの仕事について解説していきます。

なるべく業界を問わない全般的な解説を試みますが、私の経験をベースに書きますので、一部偏ることをご容赦ください。

マーケティングの仕事の種類を分類してみる

マーケティングの仕事といっても、実際はかなり多岐に渡りますので、まずはマーケティングの仕事の種類をいくつかに分類して紹介したいと思います。

また後でも触れますが、企業によっては、組織として分類されている場合もあれば、一つの組織で総合的に担当している場合もあります。

商品戦略・商品企画

まずは、マーケティングの仕事の本丸と言ってもいい、商品戦略・商品企画の仕事です。

日本だと、商品戦略部、商品開発部、商品企画部といった名前の組織であることが多いですね。

仕事としては、その会社の商品・サービスの戦略を考えたり、新しい商品・サービスを企画したりする仕事です。

新しい商品の場合は、商品のターゲットを決め、コンセプトを考え、商品やサービスを設計していきます。

ブランドのロゴや、パッケージを決めたり、どういったお店で売るか、いくら売るかといったことも設計していきます。

原価やコスト管理といったことも、大事な仕事です。

既にある商品の場合は、売上などを管理し、中長期的な戦略を考えたり、リニューアルの企画、実行といったこともしていきます。

ちなみに、これと似た言葉で、日本では「事業戦略・事業企画」という仕事や組織が存在し、組織も別であることが多いです。

イメージとしては、例えば日本コカ・コーラ社が、お茶ブランドの「綾鷹」ブランドのことを考えるのは商品戦略・商品企画で、飲料事業全体の戦略や、あるいは新規事業への参入などを考えるのが、事業戦略・事業企画の仕事です。

もちろん、事業戦略・事業企画もマーケティングの仕事と言えるでしょう。

広告・宣伝

続いては広告・宣伝の仕事です。

日本企業の組織だと、広告宣伝部といった名前の組織が多いですね。

その名の通り、広告戦略を考え、実行していく仕事です。

商品やサービスを作るだけでは、モノが売れません。作った商品やサービスを、消費者に認知してもらい、特徴を理解してもらうために重要なのが、広告・宣伝の仕事です。

広告の手段としては、華やかなテレビCM、新聞、雑誌、ラジオといったものから、最近ではWeb広告も主流になりつつあり、SNSも重要なメディアとして役割を果たすようになってきており、仕事の幅も広がってきていると言えるでしょう。

各メディアの特徴を理解し、ターゲットに合わせて効果的な広告・宣伝を企画していく必要があります。

また、広告・宣伝と近いものに「広報」があります。

役割としては、会社や商品・サービスのPRや、取材対応などが仕事ですが、消費者に会社や商品をアピールすることなので、広告・宣伝と同様に、広報もマーケティングの仕事だと思います。

ただし「広報部」はどちらかというと、組織としては経営サイドに近い部門として位置づけられていることが多い気がします。

販売促進・営業企画

3つ目は、販売促進・営業企画の仕事です。

日本企業の組織だと、営業企画部という名前が多いですね。ただし、販売促進については、広告宣伝部が担っていたりもします。

作った商品やサービスが、実際に売れる仕組みを作る仕事です。

業種によって仕事の内容は大きく変わりますが、プレゼントキャンペーンのようなものを企画したり、商品が売場で他の商品よりも目立つように、売場作りを計画したり、商品の見せ方を工夫することによって、作られた商品やサービスが、より売れるように働きかけていくのです。

他のマーケティングの仕事と比べると、最も現場よりの仕事と言えるかも知れません。

それって営業(セールス)の仕事じゃないの?と思うかも知れませんが、まさにその通りです。

マーケティングとは、顧客志向で組み立てるビジネス活動の全てなので、営業もマーケティングの一貫です。

日本企業では、営業部はたいていマーケティング部と完全に分離していることが多いですが、仕事としては地続きなのです。

市場調査・分析

最後は、市場調査・分析の仕事です。

もしかすると、一般的にはこれが最もマーケティングっぽい仕事なのかも知れません。

日本企業の組織だと、調査部とかリサーチ部という名前の組織であることが多いです。

市場データや顧客データの分析をしたり、マーケティングリサーチを行うことによって、市場の状況や顧客のことを理解する仕事です。

調査の方法は、グループインタビューのような定性的に顧客を理解する手法から、アンケート調査のような定量的に顧客を理解する方法まで、多岐に渡ります。

市場の状況やターゲット顧客のことを深く理解することで、商品・サービスをより顧客のニーズにあったものに近づけ、広告・宣伝をより効果的なものに近づけていくことが出来るのです。

市場調査や分析の仕事がなければ、ビジネスマンの「勘」で商品を作ったり、広告を考えていくことになりますから、その分リスクを伴うようになるという点で、調査や分析だけではマーケティングは成立しませんが、しかし重要な仕事です。

こちらもどうぞ:マーケティングリサーチ(市場調査)が必要な理由

マーケティングの仕事の役割分担

さて、ここまではマーケティングの仕事を、種類ごとに分類して紹介しましたが、非常に多くの役割があることがご理解いただけたと思います。

マーケティングの仕事とは多岐に渡るのです。

では、その多岐に渡る仕事を、会社内でどのように分担しているかというと、会社によって大きく異なります。

ここでは大きな二つのパターンについて、紹介しようと思います。

機能別組織

一つは、機能別に組織が分かれているケース。

特に外資企業でない、日本の企業に多いと思われるパターンです。

このページで紹介したマーケティングの役割、機能ごとに組織が分かれているようなイメージです。

例えば、マーケティング本部という大きな組織の中に、商品開発部、広告宣伝部、営業企画部、調査部といった組織が別々に存在している、ということ。

特に広告宣伝や、調査の仕事は、専門の知識やスキルを必要とすることも多いので、組織を分けて集中的に対応できるという点で、メリットのある組織戦略です。

その一方で、広告宣伝が独立してしまうことで、商品開発部との間に壁ができてしまうというデメリットがあります。

商品開発部が考えた戦略が、広告宣伝部に伝わらず、広告宣伝部が独自に広告を作るようになり、結果的にマーケティングがちぐはぐになっているケースは、本当に少なくありません。

ブランド別・商品別組織

もう一つは、ブランド別に組織が分かれているケース。

こちらは、外資企業に多いと思われるパターンです。

機能別ではなく、ブランド別・商品別に組織が分けられています。

例えば、マーケティング本部という大きな組織の中に、Aブランド部、Bブランド部、Cブランド部という組織があり、各ブランド組織の中で、商品企画も、広告も、販売促進も、調査も担っていくのです。

一つのブランド・商品について同じ組織で全てのマーケティング活動を統括して進めることができるので、一貫したマーケティング戦略を実行しやすいというメリットがあります。

その一方で、専門性の必要な機能も、ブランドごとに組織が分かれてしまい、専門性が発揮しにくかったり、ブランド間での横の連携がしにくくなるというデメリットもあります。

もちろん、実際にはこの2つのパターンのどちらかしかない、というわけではなく、両者のメリットを合わせたほうな組織構造の企業も存在します。

マーケティングの仕事で付き合う職種や業種

最後に、マーケティングの仕事をしていると、どんな職種や業種の人たちと仕事で付き合っているのか、について紹介したいと思います。

研究開発部門

社内で大きく関わるのが、研究開発部門です。

日本の組織で言うと、研究開発部とか、R&D部といった名前が多いです。

マーケティングの中でも、商品開発の仕事で大きく関わってくることになります。

新しい商品を作ったり、今ある商品のリニューアルを行うときには、技術的な側面が必要になってきます。

新商品が生まれるとき、研究開発部が生み出した新しい技術を使って、マーケティング部門が世の中に売れる商品に仕上げていくパターンもあれば、マーケティング部が出したいという商品を、研究開発部が実現に向けて動くというパターンもあります。

いずれにしても、実際のものづくりを支えているのは研究開発部門で、それを「顧客志向で」売れる商品へと昇華させていくのがマーケティング部門です。

生産・物流部門

マーケティング部門は、生産・物流部門とも関わりを持ちます。

日本の企業でいうと、工場部門であったり、物流部門です。

一見、マーケティングとは関係がないようにも思えますが、そうではありません。

マーケティングの本質は「顧客志向」でビジネスを組み立てることですが、「顧客志向」であることが、会社のどの部門にとってもメリットがあるとは限りません。

例えば、「顧客志向」を追求した結果、たくさんの種類の商品を、少しずつ売る(いわゆる、多品種小ロット生産)ことを目指すとします。

しかし、それは工場部門や物流部門に対して、大きな負荷をかけることになります。たいてい、そういうのは嫌がられます。

だからこそ、それをやる意義を理解してもらい、調整する必要があるのです。

マーケティング部門は、顧客志向でビジネスを計画するだけでなく、それを実行するために、社内の各組織との調整も行わねばなりません。

営業部門

マーケティング部門は、営業部門との関わりも欠かせません。

マーケティング部門が商品を作り、広告を作り、売り方まで設計をしても、実際に商品を顧客に販売するのは、営業部門です。

営業部門が、マーケティング部門の意図を理解していなかったり、意図を無視して行動してしまえば、それまで作り上げてきたマーケティング活動が台無しになってしまいます。

営業部門はたいてい、売上責任を持っているので、売れない商品を売りたくはありません。

従って、営業部門にも「この商品は売れる!」という認識を持ってもらうことは、極めて重要なのです。

マーケティング部門は顧客視点でビジネスを推し進める、会社の中心的存在ですが、マーケティング部門だけでは機能せず、生産・物流・営業部門を巻き込んでいくことが必要になってきます。

広告会社

さて、ここからはマーケティング部門が仕事で付き合う社外の人たちです。

広告会社(広告代理店)は、マーケティング部門と非常に関わることの多い会社です。

マーケティングの仕事のうち、広告・宣伝の仕事をするときには、計画する段階から、実行まで全面的に広告会社の支援を受けることになり、広告会社の存在は欠かせません。

広告だけでなく、商品パッケージのデザインや、時には商品のコンセプトから広告会社と一緒になって考えたりするケースもあります。

広告会社は今や、広告だけに留まらない、総合マーケティング支援企業と化しているのです。

販促会社

販促会社という言い方が正しいかは分かりませんが、販売促進を行う際に、お世話になる会社は広告会社のほかにも多くあります。

特設Webサイトを行うときには、Web製作会社と関わることもありますし、イベントや売場での販売促進をする場合には、プロモーション用の機材やPOPなどを作成したり、デザインを行う会社とも多く関わることになります。

印刷会社

これは業種にもよると思いますが、実際にものづくりをするメーカーの場合などでは、印刷会社との付き合いも増えます。

分かりやすく言えば、商品のパッケージを作っているのは印刷会社です。

特に、全く新しいパッケージを作るときなどは、印刷会社との関わりは深くなります。

調査会社

マーケティングの仕事の中でも、マーケティングリサーチにおいて関わることになるのが、調査会社です。

アンケートやインタビューに対応できるモニター組織を多く抱えていて、市場調査の仕組みやスキルだけでなく、統計の知識やデータ分析のスキルも持ち合わせているので、企業が抱えている課題を、ロジカルに解決に導いてくれる役割を果たしているとも言えます。

ということで今回は「マーケティングの仕事って何してるの?」という質問に、私なりの視点でガチで答えてみました。

少しはマーケティングの仕事をイメージできたでしょうか。

マーケティングとは、言葉で言えば一言ですが、その仕事の役割や機能は多岐に渡り、多くの部署と関わり、多くの企業に支えられて成り立っている活動である、ということが分かっていただけたかと思います。

これからの日本の成長を支えるのは、間違いなくマーケティングの力です。マーケティングに興味がある人はぜひ、マーケティングの世界へ。

次はこちらの記事をどうぞ:日本はこれからマーケターが活躍する時代を迎える理由

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