こんにちは。アラサーマーケターのKT(@kt_mkage)です。
「マーケティング」というのはアメリカから輸入された概念ですが、今や多くの日本企業に「マーケティング部」なる組織が存在します。
でも、これまで仕事を通じて色んな会社のマーケティング部と仕事をして思うのは、多くの会社にとってマーケティング部とは名ばかりで、実態はマーケティングなんかやってないということ。
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名ばかりのマーケティング部
そもそも、マーケティングとは「顧客志向」で行うビジネス活動の全てです。
関連記事:マーケティングとは顧客志向のことである
つまり、「マーケティング」と名を冠するマーケティング部は、常に顧客志向でビジネスを組み立て、関連する部署をリードする存在でなければならないはずです。
果たして、自分たちはマーケティングをやっていると自信を持って言える組織は、どれくらいあるんだろうか?
商品企画部門が名前を変えただけ?
「マーケティング」はアメリカから輸入された言葉ですから、もともと日本に「マーケティング部」という組織は存在しない。
ところが、時代の流れとともに、日本にも「マーケティング」という言葉が輸入され、組織としての「マーケティング部」も作られるようになったわけです。
でも、ほとんどのケースでは、全く新しい仕事を行う部署としてマーケティング部が作られたわけではなく、もともとあった組織が、マーケティング部に名前を変えただけ。
その多くが商品企画部門や、広告宣伝部門。もともとあった仕事をそのままに、「マーケティング部」と名前を変えたり、統合した部署を作っただけなのです。
商品企画部門が顧客志向とは限らない
商品企画や、広告宣伝の仕事は、確かにマーケティングに通ずる仕事には間違いありません。
でも、必ずしも商品企画部が、マーケティングの本質である「顧客志向」であるかどうかは別問題です。
かつてより技術大国と呼ばれた日本では、ニーズよりもシーズ(技術)基点での商品開発が得意な会社が多いもの。
したがって、商品企画部門よりも、研究開発部門のほうが力が強かったりします。
あるいは、実際に会社の売上を目に見えて作るのは、営業部門なので、同じように営業部門の力が強い会社も多いです。
そういう会社では、商品企画部門の関心が、研究開発部門が作った商品を、いかに営業部門に売ってもらうか、という社内調整の部分に目が向いてしまっているのです。
顧客の価値に繋がるように、商品や広告を企画するのではなく、社内が丸く収まるように商品や広告が作られていく現場を、私は何度も目撃してきました。
いくら社内調整が上手でも、それが顧客志向になっていなければ、マーケティングとは呼べないのです。
そもそもマーケティングが何かを定義していない
また、組織の名前はマーケティング部なのに、マーケティングとは何かを定義していない企業は本当に多い。
マーケティング部のトップに、「マーケティングとは何か?」と聞いてどれほどの人が自信を持って応えられるでしょうか?
あるいは、その答えは、マーケティング部メンバーにどれだけきちんと共有されているでしょうか?
おそらく、ほとんど無いんじゃないかな。
そもそも今の日本では「マーケティング」という言葉があまりに色んな場面で使われすぎていて、ものすごく曖昧な言葉になってしまっているのも大きな問題。
組織としてその意味が定義されていなかったら、新しくマーケティング部に配属された人は、どうなるでしょうか?
「顧客志向」というマーケティングの本質を理解しないままに、実務として存在する、商品企画だったり、広告や販売促進プランを考えたりして、仕事をこなしていくことになるでしょう。
でも、それはマーケティングを行う「マーケター」じゃない。