良いものを作れば売れるという“トンデモ”勘違い

こんにちは。アラサーマーケターのKT(@kt_mkage)です。

わたしはメーカーに勤務するマーケターですが、日本のマーケティング部はつくづく、ある勘違いをいつまでも引きずってるなと感じます。

それは、良いものを作れば売れるという、勘違い

「品質の高いものが売れる」はウソ

これはなかなか、メーカー、特に研究開発部門の人間は納得しないでしょうが「品質の高いものが売れる」というのは大ウソです。

それは世の中を見渡せば分かります。

コカコーラはペプシより品質が高いか?

分かりやすい例はコーラです。

コーラ市場におけるNo.1はコカコーラです。日本でもペプシに大きく差をつけています。

では、コカコーラはペプシコーラよりも品質が高いと言えば、それはNOです。

ブランド名を隠した商品テスト(ブラインドテスト)では、多くの場合、ペプシコーラのほうが美味しいと知覚されるようです。

実際、ペプシコーラはよく、このテスト結果をCMに活用していますよね。

それでも一番売れているのは、コカコーラなのです。

また、コカコーラも過去に一度、過ちを犯したことがあります。

消費者テストを用いて、より美味しいと評価された味に、リニューアルしたところ、顧客から大ブーイングを買い、味の変更からわずか79日後に元の味を「コカコーラ・クラシック」として発売することになり、新しい味は翌年には姿を消したといいます。(参考

客観的なテストにより、美味しくしたにも関わらず。

「ウコンの力」に真っ向勝負しても勝てない

マーケティングの仕事に携わる中で、同じことを、日本のメーカーの商品でも感じたことがあります。

2004年にハウス食品が発売した「ウコンの力」が大ヒットし、現在でも市場に定着しています。

そんなウコンの力の大成功を見て、キリン、味の素、ロッテなど、いくつもの企業が追随し、似たような商品を発売しました。

しかし、それらはことごとくウコンの力の前に惨敗し、ほとんどが消えていきました。

ここでも注目すべきは、必ずしも追随商品たちが品質で劣っていたわけではない、ということ。

中には、機能成分であるクルクミンの量をウコンの力よりも増やすなど、効果として、ウコンの力を上回る商品もありました。

しかし、それでも売れなかったのです。

にも関わらず、その後ハウス食品が展開した「ウコンの力SUPER」は売れ、これまた定着しているのが現実です。

品質よりもブランドが勝つ

コカコーラとウコンの力の事例が証明するのは、品質が良ければ売れる、品質が良ければ競合商品に勝てるわけではない、ということ。

消費者にとって、品質よりも上位に来るのは、ブランドです。

結局コカコーラの顧客は、単純な美味しさで選んでいるわけではなく、コカコーラというブランドに愛着を抱いているから買っているのです。

ウコンの力の顧客は、クルクミンがどれくらい入っていて効きそうだから選んでいるのではなく、お酒を残さないための定番ブランドと認識しているから買うのです。

もちろん、品質はブランドの下支えとして重要ですが、イコール売れるというワケでは無いのです。

勘違いを改め、ブランドを育てよう

日本でマーケティングに従事する人の多くが、未だに品質が良ければ売れるという勘違いをしています。

というより、この事実に目を背けているのかも知れません。

その証拠に、売れていた商品の売上が下がってくると、やたらと商品のリニューアルをしたがる傾向にあります。

シェアを取られた競合商品を分析して、商品をよりよく改良して、売上を回復させようとするのです。

しかし私の経験上でも、そのようなリニューアルは大して効果は上がったケースは見たことがありません。

品質が原因で売上が下がったわけではないのですから、当たり前ですね。

また、そもそも結局顧客を更に失うのも怖いので、消費者からは違いが分からないくらいのマイナーチェンジしか出来ないのがオチです。

そんなものは、マーケティングの本質である顧客志向とは、かけ離れたものです。

とにかくこの良いものを作れば売れるという勘違いを改め、ブランドを育てる方向に舵を切らない限り、その会社のマーケティングの未来は暗いでしょう。

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