こんにちは。アラサーマーケターのKT(@kt_mkage)です。
ラーメン屋のマーケティング戦略について勝手に考えてみるシリーズ。
ラーメン屋を題材にして、マーケティング戦略について解説していきます。
今回は、ラーメン屋にとって他店との差別化が必要なのか?という話。
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ラーメン屋にとっての差別化なんか必要ない
ラーメン屋というと、各店が個性を出して、しのぎを削っているイメージがありますね。
人気店というと、必ずといっていいほど、スープや麺にこだわりがあったりするものです。
もちろん、美味しいラーメン屋には、こだわりがあるもの。
しかしながら、マーケティングの立場で考えると、他店との差別化なんて、実はそこまで重要ではないのです。
ラーメン屋の提供価値は何か?
マーケティング戦略を考えるとき、ものすごく重要なのは「何を売るか?」ということ。
ラーメン屋なんだから、売るのはラーメンに決まっているじゃないかと思うかも知れませんが、そうではありません。
ディズニーランドやUSJが何を売っているか?と聞かれて、ジェットコースターやグッズでないことは確かでしょう。ディズニーランドやUSJが売っているのは、私は「家族や恋人と楽しめる、楽しい時間」だと思うのです。
同じように、ラーメン屋が提供しているのは「ラーメン」ではなく、例えば「一人で時短で食べれるランチ」などという価値ではないでしょうか。
これらは、マーケティングの用語では、「提供価値」と呼ばれるものです。
ラーメン屋にとっての競合はラーメン屋なのか?
提供価値とセットで考えるべきなのが「競合」です。
ラーメン屋にとって、競合とはいったいどこでしょうか?
すぐ近くにラーメン屋がある場合には、そのお店が直接的な競合になるかも知れません。
ではすぐ近くにラーメン屋が無かったとしたら、駅の反対側にあるラーメン屋でしょうか?
それとも、隣の駅にある評判のラーメン屋でしょうか?
おそらくそれは違います。競合がどこかを考えるときは、必ず提供価値とセットで考えます。
競合とは、同じ提供価値をもち、顧客の財布を奪い合うもの同士です。
つまり、提供価値が「一人で時短で食べれるランチ」であるならば、ちょっと離れたラーメン屋よりも、近くに存在するラーメン屋以外の飲食店が競合だと言えるでしょう。
実際、近くにファーストフード店や、牛丼店、お弁当屋などがあった場合、お客さんを奪い合うことになるでしょう。
近くも無いラーメン屋同士の差別化など不要
ラーメンマニアみたいな人たちは、その店のラーメンを食べるために、わざわざ離れた店まで味を運ぶでしょう。
しかし、そんな客はほんの一握りの、一部に過ぎません。
特にランチの商圏は、駅を隔てることのない、限りなく狭いエリアなのです。
だとすれば、例え隣駅であっても、商圏の外にあるラーメン屋と差別化を図る必要などないということです。
不必要な差別化によって、例えばクセの強いニンニク臭によって、一部の客を遠ざけるよりも、誰にでも好まれる味にしたほうがベターでしょう。
差別化を考えるのであれば、同じ商圏内で、しかも同じ提供価値を食い合う競合店に対する差別化が出来ればいいのです。
つまり、今日はササっとランチを済ませたいと思った時に、対面にある牛丼屋ではなく、こちらのラーメン屋を選んでもらう理由を作ることに注力するべきというわけですね。
ラーメン屋に限らずメニュー(商品)へのこだわりは、必要なものだと思いますが、マーケティングの視点で見たとき、差別化のポイントは間違えないようにしなければなりませんね。
不必要なこだわりは、コストにしかならないですから。